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「アロンゾ。なにか悩みごとか?」

「なんであんたそういうことだけ鋭いんだ」

人の心の機微には鈍感なくせに、弱っているところを見逃さないリーダーに、アロンゾは溜息をついた。

「イロコイ以外なら何でも相談に乗るぞ」

「じゃあいいです」

ピンポイントでアウトじゃねえか。

アロンゾの悩みはなかなか解決しないらしい。
首をひねるマンカストラップを尻目に、ついでににやにやと笑うド派手猫を無視してアロンゾは歩いていった。
後ろで派手猫が吠えていた。うるさい。